熱気溢れる集いに

松江澄著「ヒロシマの原点へ」出版記念会

労働運動研究 199512月 No.314号、

 

 一一月→五日午後六時から東京・文京区の区民センターで、「松江澄『ヒロシマの原点へ』出版記念の集い」が開かれた。この出版記念会には大阪、京都、名古屋、静岡などの遠方から参加した人々を含め六五名が参加し、熱気のある集いになった。

 集いは大塚正立氏(労研事務局長)の挨拶で開会、まず鈴木市蔵氏(元参議院議員)の音頭で乾杯した。続いて松江氏と旧制一高サッカー部時代からの友人の森井真氏(元明治学院大学長)が「本書を読んで初めて松江君の戦後の生き方を知って感動した」と挨拶し、参加者に感銘を与えた。

 次いで松富弘志氏(静岡大学教授)が広島大学の学生時代から指導を受けた松江氏と内藤知周氏の思い出を語った。この後、休憩をはさんで、小塚尚男氏(生活クラブ生協理事長)、大阪の大賀正行氏(部落解放研究所)、京都の米沢鉄志氏(元高雄病院理事長)、名古屋の山田宏氏が続いて挨拶した。その後に立ったクラブ生協の中尾ひろえさんが「発起人の名前を見てつくづく戦後五〇年の運動が男たちの運動だったと思う」と列席の男性諸氏に耳の痛い挨拶、続いてクラブ生協の若い女性四名が正面に並び松江氏に熱いエールを送った。

 この後、吉田嘉清氏(元原水協事務局長)、宮本なおみ氏(元目黒区議)に続き、共労党時代や政治団体の活動家が次々に立ち挨拶。終わりに戦後労働運動史研究者の佐藤一、増山太助の諸氏に続き、津田道夫氏が著書の内容に触れて熱烈な挨拶を行ない、次いで高澤寅男氏(前社会党代議士)が自らの生き方と今後の決意を語り満場を沸かせた。最後に松江氏が立ち、参加者に深い感謝の言葉を述べ、「今後とも広島の原爆被害とアジア侵略の前線基地だった軍都広島の加害とを一体のものとしてとらえ、生命ある限り闘っていきたい」と挨拶、満場の拍手を浴びた。

 その後、司会者から出版記念会に寄せられた山口義行氏、石堂清倫氏、板井庄作氏、吉川勇一氏、片桐薫氏などの各氏のメッセージが披露された。最後にクラブ生協の女性代表と発起人の女性代表がそれぞれ松江氏に花束を贈呈し、熱気溢れる出版記念会を終えた。

表紙へ